TruPrint 5000と、産業用グリーンレーザーとしては市場初となるTRUMPFのTruDisk 1020 (波長515 nm) を組み合わせることにより、高反射性材料を加工することができます。TruPrint 5000 Green Editionを使用すれば、赤外波長では処理が難しい、あるいは処理できない銅や銅合金などの材料の積層造形が可能になります。
グリーンレーザ:銅と銅合金の積層造形
TRUMPFはイノベーションとテクノロジのリーダーとして、革新的な産業用レーザ装置を開発するための専門知識に積層造形のノウハウを取り入れています。比類のない結果を実現するTruPrint 5000 Green Editionは、これまでのTruPrint 1000 Green Editionのコンセプトを基に、設置スペースと生産性を拡大した製品です。グリーンの波形(515 nm)を持つTruPrint 5000 Green Editionは、銅など高反射材の積層造形に適したツールです。これにより、パワーエレクトロニクスやオプトエレクトロニクス用高性能熱交換器、電動モーター開発、そして高導電性銅の特性を活かしたハイエンド製品など、要求の厳しい冷却用途向けの誘導コイルやコンポーネントを製造する新たな方法を実現できるようになります。
銅や銅合金などの高反射性材料の積層造形が可能になります。
高導電性純銅ETP(Cu含有量 99.9 %以上)は、100 % IACSの電気伝導率を実現します。
最高の生産性と共に、堅牢かつ再現性の高いプロセスを実現。
この産業用システムは、高い熱負荷に合わせて設計されています。レーザが劣化することはありません。
CERN I.FAST プロジェクトの RFQ 加速器
CERNがコーディネートする*プロジェクト「I.FAST」(Innovation Fostering in Accelerator Science and Technology)の一環で、TruPrint 5000 Green Editionを使用して高周波四重極加速器(RFQ)が造形されました。加速器は純銅から積層造形で製造されています。通常、製品は歪みがないよう、フライス加工やはんだ付け、熱処理などの複雑な工程を経て製造されています。
*このプロジェクトは、欧州連合の研究・技術革新を目的としたHorizont 2020プログラムを通して、財政援助協定No. 101004730のもとで支援を受けました。
電動モータ開発用機能の例
電動モータ開発では、積層造形により、銅の巻線設計を改善し、銅の充填率を高められるという様々なメリットがあります。バスバーまたはパワーレールを一体化することで接続数を減らすことができます。ハウジングの冷却装置により、eDrive 性能は大幅に向上します。
TPMS 構造付きガスクーラ
Modell- und Formenbau Blasius Gerg社のガスクーラは純銅から積層造形により製造されています。通過する高温ガスが熱交換器の内部で水により冷却されるという仕組みで、TPMS(Triply Periodic Minimal Surface)構造が効率と熱伝導を最適化します。
浮上コイル
図の浮上コイルで、金属体を電磁界で浮上させ、溶かすことができます。部品をシームレスに積層造形することにより、継目やはんだ付けした箇所を減らし、内部冷却回路からの漏れを防ぎます。板厚や造形に関する複雑な形状の要求にも対応します。
トランジスタクーラー
プリントされた純銅製トランジスタクーラーの熱伝導率は、従来の銅と同じです。新たに設計され、積層造形で最適化されたジオメトリにより、冷却用出力が向上します。さらに、再設計されたことで効果的に直付けできるようになりました。
エレクトロニクス向けの高効率冷却装置
TruPrint 5000 Green Editionは、高電導性の純銅製冷却装置の柔軟で経済効率の高い製造を可能にします。内部のコンフォーマル冷却回路により、部品の冷却を大きく向上しています。
内部冷却回路を搭載した熱交換器
純銅で造形された熱交換器の内部冷却回路には、その構造により保持される非常に平滑な取付箇所と突き出し角度があります。微細構造(0.5 mm)により質量低減を重視した設計で、良質の表面積/重量比を実現します。材料特性は従来のETP銅に対応しており、マシンから直接熱処理をする必要はありません。
半導体熱交換器
支持なし設計の積層造形向きデザインと冷却用出力に最適化された形状のデザインが合わさり、さらに従来の純銅と同様に高い熱伝導率を持つ材料を組みわせることで、部品全体の性能向上を実現しました。半導体接続部の壁を非常に薄く(0.4 - 0.5 mm)することにより、熱放散を高めています。
ドライブシャフトインダクタ
銅製インダクタは通常、曲げ加工やフライス加工のうえ、はんだ付けされる複数のセグメントで構成されています。純銅を使った積層造形により、はんだ付け箇所や損傷しやすい箇所のない部品製造が可能です。このようにして、インダクタの効率と消費電力を最適化する目的で設計の自由度を高められます。
設計:SMS Elotherm GmbH。
液体混合器搭載熱交換器
純銅ETP(CW004A)製熱交換器の役割は媒体から熱を抽出するというだけではありません。液体混合器としても機能し、下側に設けられた2か所の入口から、複数の細い流路(内径 1 mm)を通り、部品の上側の出口で混合される仕組みになっています。部品は電気伝導率101 % IACS、熱伝導率394 W/(m*K)、部品密度99.9 %となっています。
TruPrint 5000 Green Edition
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設置サイズ(シリンダ) | 直径 300 mm x 400 mm 高さ |
予熱(標準) | まで 200 °C |
加工品での最大レーザパワー(TRUMPFディスクレーザ) | 800 W |
ビーム径(標準) | 210 μm |
層厚 | 30 - 150 μm |
構造比率 | まで 100 cm³/h |
電源および消費電力 | |
電源 (電圧) |
TruPrint 5000: 400 V
TruDisk 1020: 400 V |
電源(電流) |
TruPrint 5000: 32 A
TruDisk 1020: 16 A |
電源 (周波数) |
TruPrint 5000: 50 Hz
TruDisk 1020: 50 Hz |
保護ガス | 窒素、アルゴン |
構成 | |
重さ (パウダーを含む) |
TruPrint 5000: 7007 kg
TruDisk 1020: 530 kg |
寸法(フィルタ、スイッチキャビネット含む)(幅 x 高 x 奥行) | 4616 mm x 2038 mm x 4234 mm |
ダウンロード形式で用意された全製品バリエーションの技術データ。
TruTops Print
TRUMPFが販売しているTruTops Printは、TruPrintマシンを最大限に活用するための最適なソフトウェアソリューションです。最新のユーザーインターフェースには全ての機能が見やすくまとめられており、どの機能にも迅速にアクセスすることが可能です。柔軟性が高く、Zセグメント化などのデータ作成が個々の状況に合わせて可能であるほか、直感的で分かりやすいパラメーター管理では、すべてのパラメーターにアクセスできるため、最高レベルの造形品質と再現性、支持構造を低減した突き出し構築可能性で最大限の効率と生産性が保証されます。WZA形式で作成した高品質のベクターデータは、内蔵されているBuildJob Viewerで確認できます。
ワークフローに合わせたデータ準備
TruTops Printは、シームレスなデータ準備のワークフローを実現するために、すでに多数のCAD/CAMシステムと接続されています。このため、データ作成ソフトウェアを非常に柔軟に選択できます。着手するワークフローにどのソリューションが最適なのか、ご自身で判断していただけます。
TruPrintモニタリング
TRUMPFのAIを活用したモニタリングソリューションを使えば、TruPrintマシンのビルドプロセスの監視と分析、キャリブレートを簡単に行って、生産効率と部品品質をさらに向上させることができます。高度なモニタリングにより、センサーベースのデータの表示と評価が可能になります。ラインナップには、プロセス/コンディション/パフォーマンスモニタリング向けのソリューションが含まれています。モニタリング結果は、直接TruPrintマシンのHMIで見ることも、モニタリングアナライザを使ってオフラインで評価することもできます。TruTops Monitorでは透明性が得られるだけではなく、PCまたはタブレットを経由してリモートアクセスも可能になります。また、OPC UAインターフェースが備わっているため、ご使用になるソフトウェアソリューションと極めて柔軟にリンクさせることができます。追加で使用可能になるキャリブレーション機能で、建設作業開始前に最適な生産条件のプロセス関連パラメータを確認できます。
粉末とパラメータ
高品質の金属粉末は、積層造形における信頼性の高いプロセス条件の基礎となります。推奨される粉末に適切なパラメータを組み合わせることで、3Dプリントで作られる部品に高品質な材料特性がもたらされます。
国によっては、この製品ラインナップと製品情報が異なる場合があります。技術、装備、価格及び提供アクセサリーは変更されることがあります。 現地担当者に問い合わせて、国内で製品を入手できるかどうかを確認してください。