TruLaser Cell 3000の操作は、Siemens 840D solutionlineをベースにTRUMPFが開発したユーザーインターフェースを介して直感的かつ簡単に行えます。カッティングでは、一般的なレーザタイプ、材質及び板厚用のTRUMPFによって最適化された切断パラメータが既にコントローラに保存されているため、これを使用できます。
小型から中型の部品を柔軟にレーザ加工するための装置
2Dレーザカッティング | 3Dレーザカッティング | レーザ溶接 | レーザ肉盛溶接
コンパクトで高精度の5軸レーザ機械TruLaser Cell 3000を使用して、2次元及び3次元の溶接とカッティングを行うことができます。更にこの3Dレーザ加工機はレーザ肉盛溶接 (LMD) にも適しています。試作品から広範囲に自動化された大量生産に至るまで、多方面に優れたこの機械は卓越した性能を示します。特に小型から中型までの最高品質部品の経済的なレーザ加工で威力を発揮します。
簡単で迅速なプロセスアダプタ交換による溶接、カッティング及びレーザ肉盛溶接
数量が多い場合には、機械をユーザーの要件に合わせて簡単に自動化することができます。
成熟したクランプ技術及びセンサーによる、完全自社開発のカスタマイズしたジグコンセプト
多数のオプション及び加工光学ヘッドを使用した簡単な後付け又は装備拡張
3D作業領域全体にわたって得られる最高水準の繰り返し精度
作業エリア全体を大型の取付装置及び大規模な自動化技術用に利用することができます。
深溶け込み溶接
3Dレーザ機械TruLaser Cell 3000は、1 MW/平方cmの極めて高い出力密度が必要な深溶け込み溶接に適しています。深溶け込み溶接の優れた特徴として、効率と溶接速度が高いことが挙げられます。高速であるため熱影響部が小さくなり、ひずみもわずかになります。このプロセスは深い溶接深さが必要な場合、あるいは複数の材料層を一度に溶接する場合に使用されます。このプロセスの典型的な使用例は、自家用車用アクスルディファレンシャルギアのレーザ溶接です。
レーザ溶接によるラチェット
部品が高温、高圧、摩擦又は湿気などによって摩損した場合、一式交換が必ずしも必要であるとは限りません。レーザ溶接は新品の製造に代わる、迅速で経済的な方法です。
レーザカッティング及び溶接
TruLaser Cell 3000を使用して、電磁式ウォーターポンプカップリングでスリットのカッティング及び溶接を行います。プロセスアダプタ交換が迅速であるため、TruLaser Cell 3000はプロセスに極めてフレキシブルに対応できます。
レーザカッティングによるステータプレート
レーザカッティングではツール交換なしで、精緻又は複雑なものも含め、ほぼあらゆるコンタ形状を生成することができます。エッジは滑らかでバリがなく、後加工は不要です。更に熱影響部が小さいため、ひずみもほとんど発生しません。特に金属 (鋼、アルミニウム及び合金) がカッティングの対象となります。
手術台
手術台のヘッドプレートなどの部品は、以前は手間を掛けてフライス加工されていました。TruLaser Cell 3000を使用することで、レーザカッティングされた2つの部品を溶接してつなぎ合わせられるようになりました。これは費用削減にもつながります。
レーザカッティングによるキッチンナイフ
キッチンナイフは以前はパンチング加工で作成されていました。そのためツールの磨耗がひどく、ツール費用の増加につながり、コンタの切り替え時にはツールを交換する必要がありました。その結果、間接作業時間及び停止時間が長くなりました。今日では、磨耗のない汎用ツールであるレーザにより、費用及び時間の大幅な削減が可能になっています。別のナイフ形状などのコンタの切り替え時には、プログラムを変更するだけで十分です。更にツールの磨耗もありません。
遮熱板
TruLaser Cell 3000での3Dレーザ加工により、エキゾーストシステム用遮熱板などをレーザ切断することができます。光という精密なツールを使用するため見事なエッジが形成され、熱変形が生じません。
TruLaser Cell 3000
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軸の移動範囲 | |
軸の移動範囲 X軸 | 800 mm |
軸の移動範囲 Y軸 | 600 mm |
軸の移動範囲 Z軸 | 400 mm |
最大軸速度 | |
軸方向Xに平行での最大軸速度 | 50 m/min |
軸方向Yに平行での最大軸速度 | 50 m/min |
軸方向Zに平行での最大軸速度 | 50 m/min |
同時の最大軸速度 | 17 m/s2 |
B軸の最大軸速度 | 120 1/min |
軸方向Xに平行での最大軸加速 | 10 m/s2 |
軸方向Yに平行での最大軸加速 | 10 m/s2 |
軸方向Zに平行での最大軸加速 | 10 m/s2 |
B軸の最大軸加速 | 130 rad/s2 |
位置決め精度 | |
リニア軸 (X、Y、Z) の位置決め精度 | 0.015 mm |
回転軸 (B) の位置決め精度 | 0.02 ° |
レーザ | |
最大レーザ出力 | 8000 W |
使用可能なレーザ | TruDisk、TruFiber、TruDiode |
ダウンロード形式で用意された全製品バリエーションの技術データ。
TruTops Cell Basic
TruTops Cell Basicにより、切断プログラムを直接機械で編集できるようになります。変更を常に手動でNCプログラムで行う必要がなくなるため、プロセスの所要時間が短縮されます。TruTops Cell Basicを介して行った変更は全てオンラインで視覚化され、機械モニターに表示されます。
TruTops Cell
TruTops Cellは3Dレーザ加工用のオフラインプログラミングシステムです。主要工程と並行して、つまり機械が生産を行っている間にプログラムを作成することができます。TruTops Cellは多数の3D-CADデータで動作し、TRUMPFが持つ技術的なノウハウ全てが含まれています。衝突チェック又は経路の最適化などの重要なシミュレーションを、直接プログラミングシステムで行うことができます。このソフトウェアは、TRUMPFの3D機械及び加工プロセス全てと互換性があります。
TruTops Boost
TruTops Boostで、TruLaser Cell 3000が2D加工に関して持つ最高性能を引き出すことができます。自動機構とアシスト機能により、TruTopsを使用した日々の作業は簡単かつ効率的になります。このシステムは例えばコーナーでのルーピング又は曲線を自発的に作成し、ピアシングスポット及びアプローチ又はリトラクト経路を生成します。このソフトウェアはシートが最適に利用されるように、カッティングの対象となる製品をシート上に配置します。またTruTops Boostにより、レーザ機械は適切なパラメータで自動的に稼働します。業界をリードするCADシステムとのインタフェースにより、部品図面を素早く受け取ることが可能になります。また設計モジュールが内蔵されているため、手動で回転させながら図面を自分で作成することも可能です。
ソフトウェア
顧客の問い合わせから製造された部品の納品に至るまで、TRUMPFのソフトウェアポートフォリオは製造プロセス全体を最適化します。TRUMPFは、ソフトウェアとマシン、サービスをインテリジェントに組み合わせ、お客様のスマートファクトリーのためにインダストリー4.0ソリューションをカスタマイズします。
用途に応じて、ご自身のアプリケーションに合った適切なレーザを選択することができます。TruLaser Cell 3000には、レーザ出力8 kWまでのTRUMPFファイバー固体レーザの多くを装備することができます。より高いレーザ出力に関しては、お問い合わせに応じます。
多様なオプションを備えたTruLaser Cell 3000では作業が簡易化されるだけでなく、非生産時間がわずかであることから、プロセスのスピードアップや生産性の向上も実感することができます。
回転チェンジャにより、数量が100,000個/ロットを超える場合に、主要工程と並行したローディング/アンローディングが可能になります。この方法で得られる2ステーションモードでは、極めて経済的な製造が可能になります。サイクル時間及び間接作業時間が短縮されます。
直感的な操作が可能な画像処理システムVisionLineは、継ぎ目の隙間やエッジなど、部品のジオメトリ特徴を自動検出します。必要に応じてNC加工プログラムが修正されます。こうして、最高のプロセス安全性が得られ、部品の品質が向上し、時間と費用が削減されます。
加工品軸を追加 (Z方向での位置決め軸、ストローク300 mm) することで、加工できる大型3D部品のサイズが最大で通常の250 %増になります。3D部品の最大サイズは直径600 x 520 mmにまで拡大します。これにより作業エリアを最適に活用することができ、生産時のフレキシビリティーが最大化します。
エルゴノミーに配慮したティーチパネルを使用して、プログラミングを直接加工品のところで迅速かつ直感的に行うことができます。6Dマウスによる狙いを定めた軸移動が可能です。また内蔵ディスプレイに未実行のアクション全てが視覚化されます。ヘルププログラムにより、ツール経路を確実かつ迅速に作成することができます。
TruLaser Cell 3000の可変クランプシステムにより、比類のないフレキシブルな作業エリア管理が持つ可能性を活用することができます。穴が格子状に配列されているため、ジグのセットアップを行う際に再現性が得られやすくなります。作業高さを加工ジョブに応じて、自分に合うように快適に調整することができます。また広いスペースが必要な場合は、クランプシステムを素早く簡単に取り除くことができます。
側面からのロード/アンロード用に、TruLaser Cell 3000に自動サイドリフトドアを装備することができます。これにより、搬送システムとの接続又はロボットによる部品装填が可能になります。開閉時間が短いため、自動作業環境での間接作業時間が最低限に抑えられ、高い生産性が得られます。
インタフェースパッケージであるCentral Linkにより、全所有機械のネットワーク化と、インダストリー4.0アプリケーションの利用が可能になります。通信規格OPC UAを介して、制御変数、測定値やパラメータなどの機械データを転送し、機械可読な状態で書き込むことができます。
オプションのBrightLine Weldの魅力は、スパッタがほとんど発生しないレーザ溶接と最高の溶接シーム品質が両立することにあります。お客様の希望に応じて、フィード速度の大幅な上昇を活用して生産性を著しく向上させることも、又はエネルギー費用を最大40 %削減することも可能です。こうして、後加工の手間が低減するため、機械のダウンタイムと運転コストも削減されます。
様々な原因により、完成品に切断スラグが付着したままの状態になる可能性があります。オプションの光学的測定技術ObserveLine Comfortでは、各コンタが完全にトリミングされているかどうかが点検されるため、このエラーを素早く検出することができます。距離コントロールシステムによる測定と比較して、ObserveLine Comfortには、多くのメリットがあります。この手法では測定時間が短縮され、非常に小さな穴の直径や斜めになっている抜きカスも測定可能になります。
TRUMPFのキャリブレーションツールCalibrationLine Powerは、個別に定義可能な一定の間隔で、加工品でのレーザ出力が実際に規定値と一致しているかを点検します。これにより、一定のプロセス条件が保証され、常に再現性のある溶接結果を確実に得ることができます。
多くのTRUMPFマシンでは、独自のソフトウェアラインナップへの完全な統合が問題なく簡単に実現します。Oseonへの統合やモニタリング・分析ツールとのリンクなど、どの組み合わせにも適切なソリューションが用意されています。OPC UA規格に基づいている当社のインターフェースで、サードパーティのソフトウェアシステムとのリンクも可能です。
焦点合わせ光学ユニットは、レーザ光線特性をジョブそれぞれに合わせて調整します。長年にわたり実績を上げてきた多面的なモジュール式光学ユニット構造は、コンパクトであるため、TruLaser Cell 3000と完璧に調和します。
焦点合わせ光学ユニット
TRUMPFの堅牢な焦点合わせ光学ユニットにより、溶接、切断、削剥、加熱や穴開けなどを問わず、高品質の加工結果を確実に得ることができます!
スキャナー光学系
リモート加工に理想的な光学ユニット
国によっては、この製品ラインナップと製品情報が異なる場合があります。技術、装備、価格及び提供アクセサリーは変更されることがあります。 現地担当者に問い合わせて、国内で製品を入手できるかどうかを確認してください。