医療機器の開発における課題とは
医療の最優先されること、それは患者の安全です。そのため、医療機器メーカーは高い品質基準や厳しい規制要件を満たさなければなりません。 生産条件や法的規制の面で、そのため、大きな課題を抱えています。設備の仕様に係る適切なプロセスに加え、適切なリスクマネジメントを行うことで、規格に準拠し、医療機器の認証・承認を受ける必要があるのです。 これには、確かなノウハウが必要になります。そこでメーカーは、製品の開発、製造、承認で協力してくれる、有能なパートナーを得る必要があります。
製造時に使用する材料が異なれば、それに対応して異なる形状公差を守らなければなりません。すると往々にして、製造プロセスで機器を改めて位置決めし、固定しなおす必要があります。
製造業では、効率や品質を向上するのみならず、熟練のスタッフの不足を解消するためにも、マニュアルで行っているプロセスを減らすことが必要になっています。
医療技術を製品化するメーカーとしてお客様は、規制要件や規格を遵守し、文書化のうえ、監視を行わなければなりません。具体的には、お客様の機器やコンポーネントにトレーサビリティがあり、生産設備がFDAやDIN EN ISO 13485、EU MDRに準拠しているといったことが挙げられます。
医療機器は製品のライフサイクルが長いため、生産設備にはスケーラビリティが必要です。また、長期にわたって、マシンのダウンタイムを最小限に抑え、メンテナンスの頻度を少なく、信頼性の高い性能を発揮することが求められます。
製品のライフサイクルの各フェーズでTRUMPFがソリューションとして提供できるサポート
このフェーズでは、お客様の製品構想や機器設計の要件、つまり材料、形状、公差に関して詳しくお聞かせください。それから、実現の可能性を検証してまいります。その検証に、応用実験を行い、さまざまなテストサンプルで各種テクノロジタイプを試します。
その後、より詳しいご相談の時間を通じて、当社エキスパートがお客様のチームと共に、開発に最適なソリューションを見極めます。また、別の業界から得た知見も取り入れることで、相乗効果を生み出します。開発プロセスを決めるうえでは、各種テクノロジのメリットとデメリットを検討して、プロセスや設計、求められるレーザ仕様の構想を策定してまいります。
医療機器の開発フェーズでは、具体的な製造の構想を検証・実行します。検証・実行の際には、パーツの形状や材料表面の公差に注意して、起こり得るリスクも分析していきます。
TRUMPFは、この段階でロバスト性の高いプロセスの開発に特に注力しています。具体的には、生産設備の信頼性、有効なプロセスおよび状態の制御、パラメーターの監視が挙げられます。設計の際には、お客様の医療機器の製造に適しているかも確認します。加えて、付属品や補助機器が必要になるかも検討します。当社が他業界のプロジェクトから得た技術的知見もしばしば役立ちます。
医療機器製造のストラテジーとして、スケーラビリティ、収益性、レーザ装置やコンポーネントの長期的稼働率、システムに可能な構成といったあらゆる要素が等しく重要です。そして、開発全体で最高の品質と最小限のリスクを実現し、最終的には機器が人の健康や安全に貢献できなければなりません。
製品ライフサイクルのこのフェーズでは、医療機器メーカーとしてお客様にはリスククラスを定義していただく必要があります。加えて、医療機器に関する法的要件や規制にかかる規格を確実に遵守していただきます。
ですがご安心ください。TRUMPFが、適用される最新のEU指令や規制に関する専門知識をもって、お客様をサポートいたします。また、規格(FDAやEUDAMEDシステム)に準拠した説明書をご提供し、お客様の設備の認定や、プロセスの確認ならびに検証をお手伝いいたします。このフェーズでは、お客様の従業員のトレーニングにも対応いたします。
医療機器の連続生産は一貫した結果を保証しなければなりません。そのため、プロセス管理に総合的対策を講じています。プロセスフローには最優先順位があり、オーダーの管理、データおよびリソースの管理、メンテナンスと維持補修に重要な基準点となっています。ネットワーク生産では、データインターフェース(OPC-UAなど)やエクスポート機能についても検討が必要です。
導入されているシステムを独自に監視、メンテナンス、維持補修するには、従業員に十分なトレーニングを行う必要があります。 そこで、保守契約をいただければ、適切なフレームワークをご提供することが可能です。
新たな医療機器を連続生産に組み込まれる場合には、TRUMPFがラボで一緒にお客様の適切な仕様の開発をお手伝いいたします。また、新しい部品の形状を必要に応じてプログラミングすることもあります。新しい材料をご使用になりたい場合には、その後の検証ももちろんお手伝いいたします。
医療機器のフェーズアウトでは、社内で生産設備や生産テクノロジを継続的にどう有効活用できるのか、ほかの医療機器の製造にも活用できるのかを検討する必要があります。
そこでTRUMPFは、ラボでお客様が活用できる領域を確認し、継続的活用や製品返却などあらゆる可能性についてご提案し、 ソフトウェアのクリーンアップから、設備のオーバーホール、新製品の組み込み、新しい設置場所へのレーザ装置の移転まで、フェーズアウトに包括的なサービスをご提供します。 輸送や再評価ももちろん当社にお任せください。