前代未聞の短期間でスマートファクトリーを構築
資源不足で大型受注を逃すことは、 中国の企業SNBC社にとってあり得ない選択肢でした。ピンチをチャンスと捉えた同社の経営陣は、TRUMPFの協力の下、前代未聞の速さで完全自動型スマートファクトリーの構築を実現しました。
課題
ロジスティクス分野に属する大口顧客6社から、一気に複数の大量オーダーをほぼ同時に受注することは、中国でも喜ばしい出来事でした。しかし、SNBC社ではまず頭を悩ませました。具体的には、自動パックステーションの生産オーダーに、数年間継続して対応することが求められたからです。それには自社の板金加工能力は不十分であり、周辺に所在している委託生産業者に依頼したとしても、問題の解決にはなりませんでした。しかし、このオーダーを断ることも選択肢としてはあり得なかったため、唯一残った道は、新工場の設立でした。
ソリューション
このプロジェクトで、SNBC社は中途半端なことはやるまいと最初から決心していました。そしてすぐに、完全自動型生産というビジョンを描きました。このプロジェクトを極めて短い期間内に実現するための前提条件は、ノウハウと絶対的な信頼性であったと同社は語っています。「どちらの条件も満たしていることを、TRUMPFはそれまでに何度も証明していました。したがって、TRUMPFと協力することがすぐに決まりました」と、SNBC社の生産責任者であるリウ・ボ氏は述べています。
実行
パックステーションの図面に基づき、スマートファクトリーのエキスパートたちはまず、コンポーネントの各部品を分析しました。全長126メートルで360の保管場所を備えたSTOPAストレージと2台のスタッカークレーンシステムに、各種TRUMPFマシン (レーザ加工機4台、パンチング加工機2台、曲げ加工機3台) と、それに合った自動化コンポーネントが接続されました。 パックステーションの図面セットに基づいて、TruConnectエキスパートはまずコンポーネントの各部品を分析しました。全長126メートルで360の保管場所を備えたSTOPA倉庫と2台のスタッカークレーンシステムに、各種TRUMPF機械 (レーザー加工機4台、パンチング加工機2台、曲げ加工機3台) と、それに合った自動化コンポーネントが接続されました。TruTops Fab Modul Storageがストレージを制御し、 生産での材料の流れ全体をコントロールし、在庫を管理することで、 必要な材料が常に適切なタイミングで正しいマシンに提供され、製品が確実に下流の作業ステーションに搬送される体制が確立されました。SNBC社ではオートメーションの効果で、生産性が既に約20 %向上しています。 従業員に関して見ると、TRUMPFの多数のワークショップに参加してシステムに慣れることができたほか、作業の手間も大幅に削減されています。
展望
2017年3月、リウ・ボ氏が希望していた通りに生産が始まりました。そのことは、次のプロジェクトがすでに計画中であることに良く表れています。 そして同氏は次のように述べています。「システムが稼働し始めてまだ9か月足らずですが、既に当社のキャパシティーが限界に達しています。その主な理由は、お客様が当社の製造能力を認めているからです。 最初の工場に取り掛かっただけで、まだインダストリー4.0に向けた道のりを歩き始めたばかりであるにもかかわらず、未来への投資が報われています。