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コイルからエンドレス生産 – 生産効率が大きく上昇

Fendtのトラクターと農業機械は、多数のユーザーだけでなく、真のファンも獲得しています。緑色が特徴的なこの伝統ブランドは、現在では米国の農業機械企業グループAGCO Corporationに属するに至っています。ドイツ・バイエルン州のアスバッハ・ボイメンハイム工場では、キャビンとフードのアウターシェル部品が製造されています。ここで工場計画を担当しているフロリアン・ハメル氏は、「生産面積を拡大せずに、コンター切断での生産能力を高めることを目指していました」と語っており、そこで生まれたアイディアが、直接コイルから切断することでした。FendtはTRUMPFのお客様として最初のTruLaser 8000 Coil Editionユーザーとなり、同機を導入したことで、作業工程がスリム化し、部品生産量が高まり、端材と材料コストが減少しています。

AGCO GmbH / Fendt

www.fendt.com

Fendtは、トラクターやハーベスターなどの農業機械において、最も有名なハイテクブランドのひとつです。1930年に設立された同社が、1997年に傘下に入った米国の農業機械企業グループAGCO Corporationは、世界有数の農業機械・機器メーカーです。競争が激しい環境の中で、同社では生産性が高い製造方法を重視しています。

業界
農業機械
従業員数
7,800
事業拠点
本社工場:マルクトオーバードルフ(ドイツ)
TRUMPF製品
  • TruLaser 8000 Coil Edition
アプリケーション
  • レーザブランキング
  • 2Dレーザ切断
  • パンチ・レーザ複合加工機
  • 3Dレーザパイプ切断
  • 曲げ加工機
  • レーザ溶接

課題

以前、Fendtは材料がローディングされる通常のレーザ切断設備で作業していました。そこで生産能力を伸ばすには、生産面積を拡大して、マシン台数を増やすしかありませんでした。「ですが、面積の拡大は不可能でした。そのため、同じ面積で生産性を高める必要に迫られていたのです」とハメル氏は述べています。それに加えて、シートスタックを保管するために何度も行き来する手間も発生していました。「これは少なくとも減らしたいと思っていました。全体的に見て、従業員を単調な作業から解放する高度な自動化ソリューションが必要であると考えました。この地域では、優秀な人材を獲得することは困難だからです。」

レーザ切断での生産能力拡大を目指し、それが実現しています。

フロリアン・ハメル(左)
Fendt戦略的工場計画・技術開発担当者

ソリューション

都合よく、TRUMPFからTruLaser 8000 Coil Editionの最初のユーザーにならないかという申し出が、Fendtにとってちょうど良いタイミングで届きました。ですが、ハメル氏とそのプロジェクトチームが承諾したのは、予想される効果を正確に算出してからのことでした。そしてその算出結果は、期待が高まるものでした。「ローディング・アンローディングで、年間約600作業時間が節約されることが判明したのです。また、コイルの切断では材料交換がほとんど行われないため、設備の生産時間がこれまでのレーザ設備と比較して約14パーセント高まることも分かりました。」これだけでも素晴らしいのですが、材料の節約では更に高い効果が得られます。コイルはシートとは違って、わずか3、4メートルで終わらないため、多くの部品を大型のものも含めて、レーザベッド上でシートの場合よりもはるかに効率的にネスティングすることができるのです。「最終的に、材料が約20パーセント節約されると同時に、生産能力も高まるとの結果が出たのです!」それを受けて、Fendtとハメル氏はゴーサインを出しました。工場では、TruLaser 8000 Coil Editionを設置する準備が行われました。

 

実行

2023年、いよいよ実行の瞬間がやってきました。積載面にコイルを積んだ最初のトラックが工場に直接進入し、天井クレーンがTruLaser 8000 Coil Editionに材料を供給し、材料が繰り出されて、切断チャンバーに引き込まれていきました。 そこでは、レーザヘッドが材料の上を高速で移動し、コンターが形成されていきました。切断チャンバーでの工程後、2台のアンローディングロボットが部品をコンベアーベルトからピックアップして、慎重にプレースしていきました。わずかに発生した端材は、自動的にコンテナに送り込まれ、外の搬出されていきました。部品生産はその調子で引き続き行われています。フロリアン・ハメル氏は満足してこう述べています。「ネスティングすることで、材料を非常に効率的に利用しています。しかも、生産能力の向上と手間の削減が両立しています。」

展望

コイルからエンドレス生産する体制への切り替えについて、ハメル氏はもうひとつ言及しておきたいことがあるとして、こう述べています。「シートを保管しなくなり、工場内を行き来する必要がなくなったため、フォークリフトでの走行を年間約2,400回節約できるようになっています。」それぞれの節約を合計すると、相当な規模になります。「このレーザブランキング設備では、投資回収期間が非常に短くなるはずです」とハメル氏はニヤリと笑っています。「どの程度短くなるかは、もちろんここでは言えません。ですが、算出した結果、極めて短くなることが分かっています。」

製品に関する詳細情報

TruLaser 8000 Coil Edition

レーザブランキング設備では、最高レベルの生産性と部品コストが連続生産で実現します。このシステムはコイルから材料を繰り出し、レーザ切断エリアに送り込みます。部品のアンローディングとソーティングはロボットが自動的に行います。

製品へ

2024年3月26日現在